【慶應MBA】慶應義塾大学ビジネススクール(KBS)の概要と入試対策

慶應ビジネススクール
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1.はじめに

国内MBAを目指される方であれば、慶應大学ビジネススクール(KBS)について調べていらっしゃる方も多いかと思います。
今回は慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應大学ビジネススクール(KBS))について書いてみたいと思います。

慶應義塾大学大学院 経営管理研究科

 

2.慶應大学ビジネススクール(KBS)の概要

慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應大学ビジネススクール)には2つのMBAコースがあります。

1つ目は2年制で全日制のフルタイムMBA、もうひとつが基本的に土曜日だけの通学で済むエグゼクティブMBA(EMBA)です。

慶應ビジネススクール(KBS)は全日制のMBAです。
そのため社会人が働きながら通うことはできません。休職するか退職して入学する必要があります。

慶應ビジネススクールは大学卒の新卒から定年退職した方まで幅広い学生が学んでいます。
日本人だけでなく留学生も多く在籍していて、例年、入学者数の30%前後が留学生となっているかと思います。
学校としても、この多様性を重視しており、バランスを重視しながら入試で選別を行っていることが
私自身の在籍経験からも感じています。

 

3.慶應大学ビジネススクール(KBS)の学費

学費は2年間の合計が4,433,600円(2024年4月時点)となっています。海外のMBAに比べると安価なのですが、
国内MBAでは高い分類に入ります。また、教育訓練給付金を当てにすることができないので
他校に比べると負担額は大きいかと思います。

また、最近の大きな変化として、MBAは例年140名の定員だったところが、EMBAとMBAを合わせた定員が140名となっており
今後、慶應大学ビジネススクール(KBS)としては、EMBAの人数を増やしていく可能性があります。

 

慶應ビジネススクール(KBS)であれば大学新卒でも入学可能

通常、MBAは社会人経験を求める学校が多いのに対して、新卒を受け入れいている数少ない学校の一つです。
しかしながら、全体の定員に比べると人数は10%程度となっており、研究計画書や面接の対策がしっかりと対策を
取る必要があります。

弊校でも過去に新卒の方の合格実績はありますが、社会人経験のある学生に対して
合格率は低く、難易度は高いと感じています。事業承継や飛び級など他の学生と違った部分を
アピールする材料が必要になります。

4.慶應ビジネススクール(KBS)の入試概要

慶應ビジネススクールでは秋入試 と翌年1月の春入試の2回があります。
入試の受験科目ですが、慶應ビジネススクール(KBS)では「志願者調書」という出願書類を記入して出願します。
この志願者調書の審査を経て、2次試験の小論文と面接試験に進みます。

小論文試験については復活

新型コロナウイルスの影響もあり、一時期、小論文試験の実施が見送られていました。
2023年の試験でも実際されていませんでしたが、2024年度以降は実施されています。

慶應義塾大学大学院 経営管理研究科

慶應ビジネススクール(KBS)の競争倍率について

KBS 競争倍率

出所:慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 募集要項

 

KBSの2024年の受験倍率は、279名の受験者数に対して、合格者数が75名。倍率は3.72倍となっています。
これは、企業派遣や新卒の学内推薦も含んだ合格者数かと思われるので、実際の一般受験の倍率はもっと高いかと思います。

先ほども書いたように、全日制の定員が減っている可能性もあるので、今後、大幅に合格者数が増える可能性は
低いかもしれませんが、今後の合格者数の推移をみていきたいと思います。

 

5.慶應ビジネススクール(KBS)の入試対策

慶應ビジネススクール(KBS)を目指す場合の学習スケジュールプランですが、小論文、出願書類(志願者調書)の対策を考える必要があります。
基本的な対策期間としては5‐6か月になるかと思います。
経営学の知識のない方でも、5‐6か月あれば基本的な知識は身につきますが、慶應ビジネススクールの場合は知識を問うよりも
どうしてそう考えるのかという思考力を問うことが多いので、経営学の知識についてはあまり心配する必要はないかと思います。

また、小論文試験については、隙間時間を活用して基本的な経営学の知識を習得し、
新聞や雑誌などから時事問題に対しての自分なりの考えをまとめておくと良いでしょう。

慶應ビジネススクールの小論文はボールペンで書かせるので、修正液は使えますが、文章構成を考えて
書かないと時間配分をミスることになります。

出願書類(志願者調書)については、志望理由やキャリア計画などオーソドックスなことを求められますので、しっかりと
これまでのキャリアと将来の目指す姿をしっかりとイメージできるようにしておく必要があります。面接でもかなり細かく
聞かれることになります。

 

5.卒業生が考えるKBSのケースメソッドのメリット・デメリット

KBSといえば、ケースメソッドを思い浮かべる人が多いかもしれません。簡単に、メリットとデメリットを考えてみました。

メリット (Advantages)

  • 実践的な意思決定能力の向上:
  • 実際の企業が直面した複雑な経営課題を追体験することで、曖昧な情報の中から問題の本質を見抜き、限られた時間と資源の中で最善の意思決定を行う訓練ができます。これは座学だけでは得難い、実践的なスキルです。

  • 多角的な視点と分析力の養成:
  • ケースについて多様なバックグラウンドを持つクラスメートと議論を重ねる中で、自分一人では思いつかなかった視点や考え方に触れることができます。他者の意見を理解し、自らの考えを論理的に説明・説得する過程で、分析力やコミュニケーション能力が磨かれます。

  • 経営者視点の涵養(かんよう):
  • 様々な業界や企業のケースに取り組むことで、特定の機能(財務、マーケティングなど)だけでなく、組織全体の視点(全社戦略、組織運営など)から物事を捉える「大局観」や「経営者的な視点」が養われます。

  • 能動的な学習姿勢の促進:
  • ケーススタディは、事前にケースを読み込み、自分なりの分析や解決策を考えた上で授業に臨む必要があります。受け身ではなく、主体的に学習に取り組む姿勢が求められ、それが深い学びにつながります。

  • 日本企業の文脈理解:
  • KBSでは、海外のケースだけでなく、日本の企業を題材にしたオリジナルのケースも多く使用されます。これにより、日本特有の経営環境や文化を踏まえた実践的な学びを得ることができます。

     

    デメリット (Disadvantages)

  • 予習・復習の負担が大きい:
  • 質の高い議論を行うためには、各ケースについて十分な時間をかけた予習が不可欠です。授業後も議論を振り返り、学びを整理する時間が必要となり、学業全体の負荷が高くなる可能性があります。

  • 理論的知識の体系的習得が難しい場合がある:
  • ケーススタディは実践や応用を重視するため、経営学の基礎理論を体系的に、網羅的に学ぶという点では、講義形式の授業に劣る可能性があります。理論的背景の理解が不十分なまま、表面的な議論に終始してしまうリスクがあると感じました。

  • ケースの質や教員のファシリテーション能力への依存:
  • デメリットにするか、迷いましたが、学習効果についてです。これは、使用されるケースの質(リアリティ、論点の明確さなど)や、議論を効果的に導く教員のファシリテーション能力に大きく左右される側面があると感じています。

  • 必ずしも普遍的な正解がない:
  • ビジネスの現実に「唯一の正解」はありません。ケーススタディでも多様な解決策が考えられるため、明確な答えを求めるタイプの学習者にとっては、曖昧さや結論の不明確さがストレスになるかもしれません。ケースによっては、私もモヤモヤした感じになりました。

  • 特定の状況への過度な適合:
  • 個々のケースで学んだ解決策が、他の状況にそのまま適用できるとは限りません。ケースから普遍的な教訓や原則を抽出する能力が求められますが、それができないと、応用力の低い知識にとどまってしまう可能性があります。

    いかがでしょうか。慶應ビジネススクールのケーススタディは、実践的な意思決定能力や多角的視点を養う上で非常に有効な学習方法ですが、相応の学習負荷が伴い、理論学習とのバランスも重要になります。その効果を最大限に引き出すには、学生自身の積極的な参加と深い思考が不可欠と言えるでしょう。

    6.最後に

    慶應ビジネススクール(KBS)では、交換留学制度やプログラムの充実していることからも非常に人気の高い学校の一つです。
    競争倍率は高いのですが、しっかりと対策を立てれば、合格できる学校になります。語学に自信がある方であれば、
    国際入試プログラム重視入試は感覚的に比較的倍率が低いので、挑戦してみてもいいかと思います。
    ぜひ、今回の記事をもとに対策を立ててみて下さい。

     

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