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法政ビジネススクール イノベーション・マネジメント研究科について
はじめに
法政大学MBAは研究科が2つに分かれています。一つは経営学研究科、
もう一つが法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科です。
以前、経営学研究科についてはご紹介しましたが、今回はイノベーション・マネジメント研究科についてご紹介します。
1.法政ビジネススクール(イノベーション・マネジメント研究科)の概要
MBAコースは、1年制と2年制を併設(※GMBAは1.5年制)。時間割は昼間と夜間に配置されており、
どちらも履修できるようになっています。
イノベーション・マネジメント研究科(IM研究科)では今あるビジネスにとどまらず、さらに進んだビジネスを生み出す力
(ビジネスにイノベーションを起こす力)を養うスクールです。
法政大学のMBAには経営学研究科とイノベーションマネジメント研究科の2つがありますが、
イノベーションマネジメント研究科は専門職で、修了すると経営管理修士(Master of Business Administration)が
授与されます。一方で、経営学研究科の学位は経営学修士(Master of Business Administration)になります。
ですので、法政MBAの場合、同じMBAでも学位名称の違いとプログラムの違いがあります。
国内MBAの学位は専門職の経営管理修士が一般的ですが、ご自身のキャリアや学びたいことなどを考慮して
選択されると良いかと思います。
2.イノベーション・マネジメント研究科のカリキュラムの特色
- プロジェクト・メソッドを中心としたカリキュラム
- 企業経営とIT戦略の両方を理解する人材を育成するカリキュラムを編成
2-1.プロジェクト・メソッドとは
「プロジェクト・メソッド」とは、従来の大学院の修士論文に相当するものです。
研究テーマを設定し、論文を書くというよりも、実践を重視しており、実現可能なビジネス・プランの策定や
リサーチ・ペーパーの作成を行います。プロジェクトメソッドでは、
個人と複数の教員が一体となって、新規事業および起業を開始するための革新的なビジネス・プランを
検討します。専任教員や客員教員の指導を仰ぎながら、学生同士での議論を通じて、実現可能性の高い
プランを練っていきます。
2-2.IT戦略と企業戦略の融合
ITと経営戦略の関係性をケースメソッドを中心に学びます。
このビジネスとITの戦略的融合を重視したカリキュラムを通じて、
ビジネスイノベーションに不可欠な情報技術(IT)を修得することを目的としています。
講義は10名程度の少人数の受講者の特色を生かして、講義とディスカッションを織り交ぜており、
理論だけではなくケーススタディーも交えた講義が提供されています。
ワークショップは定期的に多彩なゲストスピーカーを招いてビジネスモデルや
自身の経験にもとづいた講演を行っています。
3.法政ビジネススクール(IM研究科)のコースについて
(1)MBAコース
ビジネスとITの戦略的融合を図ることを目的としたコースです。
期間は、1年制と2年制があります。昼間・夜間・土曜日に講義がありますので、ライフスタイルに合わせて
選択することができます。
経営戦略、マーケティング、ファイナンス、組織人事など幅広い分野を学び、
プロジェクト・メソッドを中心としたカリキュラムで、実践的なビジネス課題解決力を養成します。
(2)中小企業診断士養成コース
こちらは中小企業診断士の第1次試験合格が必須条件となっています。
中小企業診断士の国家資格取得が主な目的ですが、MBAの学位と中小企業診断士の資格を同時に取得できます。
カリキュラムは中小企業庁のガイドラインに沿ったカリキュラムで構成されています。
そのため、経営診断実習に重点を置き、年間5社の経営診断を経験することができるので
実務経験を通じて実践的な知識とスキルを習得することができます。
期間は、1年間のプログラムで、月〜土の日中に必修授業があります。
そのためほとんどの学生が仕事を休職または退職して入学しています。
(3)グローバルMBAコース(GMBA)
グローバルMBAコースは英語で授業が行われるバイリンガルプログラムです。期間は
1.5年で修了することができるプログラムです。主に英語の授業が提供され、
国際的なビジネス環境に対応できるプログラムとなっています。
3.法政ビジネススクール(イノベーション・マネジメント研究科)の入試
イノベーション・マネジメント研究科では入試は年4回実施されています。
一般入試では一次試験が小論文、二次試験では面接が実施されています。
多様な受講生に合わせた、入試が実施されており、AO入試も実施されています。
こちらも書類審査と面接が実施されています。
出所:2025年募集要項
3-1.提出書類について
書類審査のための書類としては、プロジェクト実施計画書と職務経歴書があります。
ビジネスプランを策定するための事業計画などに触れたことにない人にとっては、
苦労するかもしれませんが、経験された方にとっては比較的取り組みやすいかと思います。
経営学研究科(MBA)とは異なり、アカデミック色は薄いです。
3-2.面接について
面接は、提出されたプロジェクト実施計画書や職務経歴書に沿って行われます。
・なぜIM研究科を選択したのか。
・なぜそのビジネスプランを選定したのか。ニーズはあるのか。
・ビジネスプランを選定した根拠と仮説。
など事前に準備して臨みましょう。
3-3.志願者数の推移

2019年から2023年の数字は、1年、1.5年、2年制の合計数字となっており、中小企業診断士養成コースとGMBAも含まれた合計数となっています。
MBAコースの競争倍率は1.3倍前後になっているかと思います(START X調べ)。
4.終了後のキャリア
イノベーションマネジメント研究科の修了生は、事業承継や起業家、ベンチャー企業のリーダー、
中小企業の経営支援者として活躍しています。
また、修了後も続くネットワークがあり、ビジネスの現場での実践力を高めることができます。
最後に
法政大学のMBAには経営学コースとイノベーションマネジメントコースがあり、
今回はイノベーションマネジメントコースについてご紹介してきました。
ビジネスとITの融合ということで、ビジネスにおけるITの戦略的活用に重点を置いたカリキュラムが
特色としてあり、国内MBAでは珍しい、ビジネスと経営とITを戦略的に結びつける教育が提供されています。
ご自身のキャリア目標や学びたい内容、現在の状況に応じて、学校選びの参考にしてみてください。