現役のKBS生がオススメする国内MBA受験対策本/参考書 筆記編
2020年10月更新
慶應ビジネススクール(KBS)を目指すにあたり、一応、受験対策を行いました。
KBSには秋と冬に2回試験があり、秋に試験に落ちても冬に改めて受験ができます。
私も秋の試験に補欠で合格したものの、入学できず、冬の試験で合格しました。
今回は、KBSの話が中心になりますが、筆記試験に必要な本をピックアップします。
個人的には研究計画書が一番大事でその次に面接が大事だと思っています。特にKBSは。そして最後が筆記試験になるかと思います。
研究計画書の対策については、こちらの記事を。
筆記試験はあくまで足切りとして使われて、筆記が決定的に合否に影響するとはあまり思えません。これはあくまで個人的な意見なので、正確ではないですが、周りの同級生や先生方と話を聞いて、自分なりにそう判断しました。
では、筆記試験についてはそれほど力を入れなくてはいいかというとそうではなくて、教養レベルの知識とアウトプットの力は必要です。
KBSの筆記はボールペンのみが使えて鉛筆類は使えません。修正液は使えます。ここは理解に苦しむところなのですが、自分なりに考えたことをつつがなく纏める能力を求めているのかもしれません(WBSもボールペンのみですが、フリクションでの受験が可能です)。なので、限られた時間で、自分の考えをアウトプットをする訓練が必要になります。
KBSの過去問
KBSの過去問は、日吉の事務室で誰でも閲覧させてもらえます。ただし、コピーをすることができないので、その場でPCなどにメモをしたりする必要があります。2010年から2017年の過去問を見て感じた傾向は、戦略や組織、マーケティング、経済学などの複合的な問題が好まれる傾向にあると感じています。逆に、早稲田は分野ごとの出題、首都大はポーターが好きなどの傾向があります。
なので、KBSを受験するのであれば、戦略、組織、マーケティングと経済学の知識については知っておく必要があります。
筆記試験の難易度については、
受験対策 オススメ本(個人的主観)
まずは経営学全般についてまとまった本を軽く読んでおく必要があります。
その際に、コーポレートガバナンスについて、自分なりにどう考えるかなど、意識しながら読む必要があります。
1.経営学全般
コンパクトにまとまっていて、好きな本です。組織論、戦略論、ガバナンス、リーダシップ、モチベーションなど経営学を理解するために必要な知識や考え方をバランスよく解説されているので、まず経営学について一冊を読んで見たいと考えるのであれば、オススメします。
※内容は同じですが、新装版がでています
この本は内容が硬派でじっくり経営学について知りたいのであればオススメです。ただし、600ページ近くの分量があるので、気になるトピックに絞って読むくらいの方がいいかもしれません。
2.戦略
KBSの清水先生の戦略本。とてもコンパクトに基礎的なレベルから解説されていて、最初の1冊にはピッタリ。
言わずと知れた、グロービスの経営戦略。昨年、改訂版も出て内容も新しくなっています。基本的なフレームワークとその使い方について知ることができる一冊。

- 作者: ジョアン・マグレッタ,マイケル・ポーター(協力),櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/09/21
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 7回
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KBSの戦略の指定図書。ポーターは古いという話もありますが、個人的にはまだまだ学ぶ価値があると思います。KBSに入っても読むことになると思うので、息抜き程度に。
後に紹介する、経済学の本と読むと理解が進みます。というのは、ポーターは経済学の産業組織論をベースにした理論を用いて、それを戦略に応用しているので、経済学の知識があれば、読みやすくなります。
3.マーケティング
マーケティングのキーワードについて幅広く解説されています。まずはこの本から一通りマーケティングの概要を押さえる事が出来ます。ただし、最初の基本パートとマーケティング戦略部分のみをしっかり読んで、それ以降の専門分野は軽く目を通す程度で構いません。
こちらもグロービス。事例を踏まえながら、フレームワークの使い方を学べます。受験前には何度も読んだ本の一つ。
(追記)
最近、改訂版が発売されました。
まずは第4版からスタートするのもいいと思います。
第3版と比べて大きく中身も変更されています。第3版の方がわかりやすい項目もあったりするので、自分にあった方をまずは手元に置いておくといいと思います。
4.経済学
KBSの過去問を見ると経済学に即した知識がないと回答できないものもあります。レモン市場の話や不確実性など、ほとんどはミクロ経済の基本的な知識が求められていますので、基本的な本を押さえておく必要があるかと思います。
受験当時は出版されていなかったのですが、何と言ってもコンパクト。まずは、ミクロ経済の概要を押さえる。
タイトル好きな本ではないのですが、入門レベルという事で。この本のいいところは、経営学に関連するトピックが多い事。規制緩和、技術革新、企業のガバナンスから格差問題まで、教養としての知識も身につける事が出来ます。
(応用編)
修士論文で副査でお世話になった大林先生の本。
ゲーム論の基本的な手法を使って分析を行っています。ミクロ経済学を使うとこうやって分析できるのかと参考になります。
入試の段階ではここまでは必要はないかなとは思います。
最後に
これまで、KBSの試験と主観に基づくオススメ本についてまとめました。本当はもっと紹介したい本もあるのですが、試験に使える本という事で自分なりにコンパクトにまとまっている本をピックアップしました。
大切なのは、これらの本を読んで終わりではなくて、自分ならどう考えるかです。インプットだけではなくて、アウトプットできるようにボールペンを持って書いて見る必要があります。
書くということは、とても重要なことだと思います。自分の頭で理解することはできていても、言語化するのが難しかったり、言いたいことがまとめられずに、結局何が言いたいのかが分からないような文章になってしまいます。なので普段から、ボールペンを持って書いてみるというのが大切です。
例えば、三陽商会をどうすれば立て直せるのか、そのマーケティング戦略を考えよとか、フリマアプリのラクマがメルカリに流通量で勝つには?なんてテーマを設定してみて上記の戦略やマーケ、組織、経済の切り口ごとに考えてみるとか、自分の興味の持てそうなことから始めてみてはいかがでしょうか。
ネタがなければ、私の師匠で在る余田先生のマーケティング・ショートケースもあります。ケースによっては、マーケティングだけでなく、事業の立ち上げなど示唆をもらえる本です。興味のあるケースをじっくり読んでみると面白いと思います。
「ある日の午後の喫茶店風景」なんてケースも、じっくり考えると意外に難しいと思いますよ。
2020年はコロナの影響で、筆記試験自体のウエイトが落ちているみたいです。
なので、あくまで足切り程度に考えて、その分、計画書や面接対策に力を入れましょう。
※2022年8月追記
2022年の募集要項をみると慶應、早稲田ともに小論文入試が復活しています。しかしながら、コロナ感染者が再び増えた影響で慶應の秋入試では、面接のみに変更されています。
動画でMBA受験対策をするなら、こちら。